最近のこと

2020/08/26

天元突破グレンラガン』を2年ぶりに観直している。2年前に観た時はまだ3回生で、今の会社のインターン品川プリンスホテルに泊まっていた時だったと記憶している。金払いは良い会社なので、インターン中に泊まるホテルは結構な金額の上限内で好きに手配して泊まることができたので、田舎者の僕は「やっぱ品プリっしょ😁」と5泊した。ぶっちゃけ部屋は古いし風呂は狭いし、アクセスの良さと周辺施設の利便性以外はかなり微妙で大井町にあるクソでかい風呂が備わったリーズナブルなビジホの方が何倍も良かった。ただ品プリのレストランはかなり良くて、2100円ぐらいするカレーがとにかく美味くて5泊中4回食べた。晩飯も宿泊プラン内に含まれていたので「会社の金で良いカレー」を実現できた。とにかく、僕は品プリで、天元突破グレンラガンを観た。アホほど泣いた記憶がある。良すぎる。もう「良すぎる」しか言えない。大事なことは全てグレンラガンで学んだ。観てない奴は今すぐ観ろ。

 

2020/08/25

急に思い立ってSCP財団のホームページを3時間ぐらい見てたらめっちゃ怖くなっちゃって、手を洗ってる時とかも常に背後が気になって眠る時もお布団を足の先まで被って十字を胸の前で切っておねんねした。夢にSCP173とかが出てきたらどうしよう、多動症ですぐまばたきするから瞬殺されるな、、、とか考えていたけど、実際に見た夢は「万引きしてるおばさんを論破して詰めたらフェラされる夢」だった。勘弁してくれ。朝の4時過ぎに目覚めたわ。

 

 

書くことがあまり思いつかず、とりあえず日記調で書いてみたがもう飽きた。日記を欠かさずかける人を昔から尊敬している。そもそも働き始めてから日々があまりにも単調過ぎて特記すべき事がない。時々、もう腐る程余っていた時間は元に戻らないと気付き発狂しそうになるが、その余りまくっていた時間も自分にとって苦痛だったことを思い出して「まぁえっか」と思い直している。

 

通勤電車の中で再び「堀さんと宮村くん」を読んでいる。既に9周ぐらいは読んでいる。580話ぐらいあり2000年代後半ぐらいから連載しているバケモンみたいなweb漫画で、時折更新される最新話でも主人公たちはまだガラケーを使っていて時代を感じる。初めて読んだのは高2ぐらいで、以来欠かさずサイトをチェックしている。本当に面白い。

初めて読んだ高2の時から「こんな高校生活、ええどすなぁ」と思っていたけど、実際の僕の高校生活はそれはもう酷く、3年間僕の周囲から汚くてむさ苦しくてカスみたいな性格の男友達が消えることはなく、女の子達からは「ギャーギャーうるさい内弁慶のイキリチビ」ぐらいにしか思われていなかっただろうなぁと思う。本当に汚い高校生活だった。3年間で見たキンタマの数は200を余裕で超える。銭湯で横並びになって順繰りに友達の背中にキンタマを押し付けて練り歩いていたりしてた。それをやってたのは僕だけだった。一度だけ女の子といい感じになった事があったが、とびっきりの「フェイク」だと思ってただただ童貞を晒していたらいつの間にか消滅していた。

3年間クラスが一緒で仲良くしていた、ブスでデブの肌が汚い友達はどうしているだろうか。この前電話したら「入社式以来一度も出社せずに、業務時間中はswitchをやりながら仕事をしているから『会社はふぇいく』なのではないかと思っている」と言っていた。その友達は大学の後期入試で数十年ぶりに足切りを喰らい、「私はブスです」とアピールして難関のゼミに個性枠で受かり、ある日急にストレスで突発性難聴になり、唯一高校を欠席した日の理由が「吐血」だったりと色々なエピソードがある。一度家に遊びに行った時、人見知りのそいつの兄上がずっと洗濯物のアイロンがけをしていたことを今でも覚えている。父はムキムキのスキンヘッドだった。

 

書きたい事が本当に無い。とりあえず思い出をダラダラと書いた。なんとなく文体が気に入らないから、まぁそういう日なんやと思う。日々の中で脳に刺激が足らない。生活と予定管理とセルフケアが随分上手くなり、執着と勢いが驚くほど無くなった。「勢い」はもしかしたら「イライラ」だったかもしれない。とにかく22年間イライラしていた。今は菩薩です。今日も3回ぐらいしか癇癪を起こしていない。

わくわく絵日記

働き始めて一ヶ月以上が経った。

何もせずとも朝6:30には目が覚めるようになり、朝の支度は30分ぐらいで終わるようになり、夕方まで働いても疲労をそこまで覚えなくなり、感受性の弾力性がだんだんと低下してきた。今はそこまで業務量が多くないけど、仕事が増えてきたらどんどん忙殺されるんだと思う。昔から一人の暇な時間には滅法弱くて、気が狂いそうになるから忙殺もアリだと思う。いざそうなったら病むんだろうけど。

「仕事漬けになったらアイドルやアニメにハマる」という人がいる一方で、自分は完全に「退勤後は無の痴呆老人になりTwitterか勉強か睡眠しかできなくなる」タイプの人間だと気付いた。順調に生活は崩壊してきている。台所は異臭を放っているので「他所の家の台所」と思うことにしている。これがライフハックです。

アニメは学園モノとかが見れなくなり、異能モノとか(元々好きじゃない)バトルモノとかもしんどい。ていうかあまり見ていない。今ハイスコアガールを見ると発狂する自信がある。

いつの間にか時間がみるみる溶けていて気付いたら6月下旬らしい。

ストレス発散方法が「漫画喫茶」「銭湯」しか無いので、どちらもこのご時世(ご時世って言葉はなんか嫌いです)だと厳しいので、終わりでぇ〜す!

平日はフルタイムで五日間働き、土日はなんか知らんがいつの間にか終わってる。そういうのは、駄目だと思う。ちなみにこの記事はタイピングの練習の為に書いてる。なんの推敲もせずに今思い付いたことを書き殴っているので獲れたてピチピチですよ。築地は朝2時からやってるぜ!!!!!!!!!

 

先日友人と電話をしていて、「やりたくない業務が発生しそうな時は悲しそうな顔をしている」と聞いてかなりウケた。良すぎる。俺も職場で電話を取りたくない時は自分の席で悲しそうな顔をしようかな。「あいつ、悲しそうだもんな」で許されたい。悲しそうな顔をする代わりに、燃料切れを起こした時はアスペの顔で天井を見つめている。😧こんな感じの顔。

 

脳汁を飛ばす必要がある。このままだと脳みそが腐ってしまう。日々の業務で得る知識や疑問は新鮮で面白いし、この分野は好きと思えるけど、もっと絶対的に脳汁を飛ばすイベントが無ければ駄目になってしまう。パチンコでは脳汁が飛ばなくなってしまった。やっぱり友達と直接会って面白い会話をしてウケを取らないと終わってしまう。人からウケを取った時がやはり一番気持ち良いので、そういう体験がこの数カ月足りていないんだと思う。

 

働く前から思っていて働いてから確信したが、仕事に熱中すると他のことがどうでもよくなるタイプの人間だった。退勤後も業務のことを考えているし、自分の無能さはひとまず置いといてかなり没頭してしまう。物欲が生来壊滅的に薄いので、お賃金で欲しいものがある訳でもなく、毎月20日に「何故かお金が入ってくるなぁ〜〜〜」と思いながら社会人をやっている。銀行側のバグか何かだと思っている。

家も車も欲しくないし、そもそも車に至っては免許すら持っていない。免許を憎んですらいる。腕時計は嫌いだし(手首が拘束されるので)、服は壊滅的だし、家具は生活が崩壊するタイプの人間なので買う意味が感じられない。毎日のヤニ代とたまに行く飲み会代、冷蔵庫に常時20本は入っている野菜ジュース、俺が崇拝しているR-1、毎月箱買いしているキリンの生茶、あとはレンチンの米とファミマの卵があれば生きていけると思っている。余談だがファミマの卵はやたら美味い。ファミマで卵とポークウインナーを買って毎朝卵を2個使ったスクランブルエッグとウインナーを食べている。コンビニで買っているのに全然食費がかからない。近所のスーパーが20時には閉まっちゃうメンヘラ君なのでコンビニに頼りきりだ。

 

内田百閒先生の『阿房列車』をまた読んだ。やっぱり良い。あれぐらい肩の力を抜いて、それでいてベースの教養が底知れぬぐらい深いのが理想だと思う。友人とダラダラした列車の旅をしたいと思う。

 

酒を昨日久しぶりに一人で飲んだ。酒は友人といる時のブーストアイテムだと思ってるので、一人だとやっぱり不味かった。しばらく飲まない。500mlのスーパードライ1缶で朝起きた時に二日酔いっぽくなってたので「マジで???」となった。全幅の信頼を寄せている胃腸薬「エビオス」を飲んでやがて効いたが、後からアレもビール酵母成分だと思い出した。酒を以て酒を制す。センス無しクソ野郎には張り手。

 

もっと頑張らなくちゃなぁと思う。業務の手順は一度習えば意外と忘れないタチと気付いた。前例を見てやり方を把握するのも割と得意だ。反面、細かいところのミスが多い。そんなにきにする必要も無いし厳密にはミスと言えないタイプのミス。こういうのが一番癇癪ゲージを増幅させてくる。

資格試験の勉強をしている時はかなり楽しい。若手のうちは仕事で評価されることとか滅多にないと思うので、燃料切れを起こさず着実に資格は取っていきたい。RPGの感覚でやってる。RPGはほとんどしたことがない。

 

面白い会話と気を使う必要性の無い間柄に飢えているので、みんな遊んでください。ヒロちゃんはとりあえず元気です。脳汁は飛ばさないとダメだけど。バンジージャンプとかしよっかな。タバコウメェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

雑記

お久しぶりです。便器の蓋です。長らく放置している間に、あれだけ絶望的だった単位を回収し卒論を書き卒業し社会人になっておまんまを食ってます。バグりますね。早すぎます。気付いたら45歳ぐらいになって、贅肉が増え、性差別とかしてるんすかね。こわ。脳の自動アプデ頼む。

 

特に何か書きたい訳でも無いので、適当に思いついたトピックに対して短文を書く、という方式でやっていこうと思います。ほな、よろしゅう。

 

 

チョコラBB

私の命と尊厳と仕事の能率を支える、エーザイ様の神アイテムです。飲めば“飛び”ます。出勤してハイライトメンソールをオカズにチョコラBBを飲めば視界がクリアになり多幸感に包まれます。同僚に「毎日チョコラBBを飲んでる」と話したらめちゃくちゃウケたのでそういう副次的効果も期待できます。150円ぐらいの安いチョコラBBと、小児科のシロップみたいな味のチョコラBBロイヤル、そして禁断の課金アイテムであるチョコラBBハイパーがあります。ハイパーは中身が150円のやつより少ないのに400円以上します。もう少し出せばハイライトメンソールが買えます。でもこれが、その、よく“飛ぶ”んです。大麻、コカイン、チョコラBB検索エンジンの「もしかして?」という予測候補でそれぞれ結び付き合うぐらい“飛ぶ”んじゃないでしょうか。余談ですがエーザイの財務戦略は結構凄いです。『日本企業変革のためのコーポレートファイナンス講義』という書籍でエーザイの財務戦略が紹介されていましたが、なかなか面白かったです。

 

お笑い

小学校三年生ぐらいから触れ始め、高校から20歳にかけてほとんど見なくなり、22歳ぐらいからまた見始めるようになりました。少し複雑に思う面もありますが、やっぱ好きですね。何か絶望的にセンスの無いやらかしや不徳行為(=スベり)をした後に、「お笑い好き」みたいな人らが言う「笑いで取り戻す」みたいな擁護は反吐が出るほど嫌いです。笑いってそんな会計処理みたいなもんなんですか?とりあえず金属バットのラジオを聞いてください。あとはM-1準決勝の錦鯉のネタと。宮迫に幸あれ。

 

 

村上龍

通勤電車でまた「69」を読んでます。やっぱり良い。単に馬鹿げた青春学園ファッション全共闘脱力系日常アニメ(そんなジャンルは無いですが)と捉えることもできるし、龍の作品の入門書としても楽しめると思います。作中に主人公たちが暮らす米軍基地のある町(佐世保)のバーの店主が、「黒人に生まれたかった」と泣くシーンがあるんですがそれがめちゃくちゃ面白いです。龍、黒人崇拝が物凄い。黒人の肉体美は凄いですからねぇ。あと、バーや部屋の匂いを表す際に「脂」って使いがち。ラブ&ポップも限りなく〜もイン・ザ・ミソスープも愛と幻想のファシズムも好きですが、やっぱりコインロッカー・ベイビーズがぶっちぎりですかねぇ。KYOKOとかも好きです。

 

 

金融

僕のやってる仕事です。こいつはよく分かんないです。分かんないから面白いんですけど、平然とした顔で世界中のあらゆる場所に入り込んでいるくせに不思議ちゃん気取ってるのが意味わかんないですね。基本理論を学んで理解して、事務上の正しい処理も覚えて、少し応用を利かせてストラクチャーを考えたり発展させたり、或いは異業種ともコラボしたり。やらかしてエッチな感じになる度に「😂」って顔で反省し、リスクモデルを見直したり。そのくせ割とポコポコと不確実なマーケットにやられて「(;_;)」こんな顔になったり。今はまだこのよくわかんない不安定な分野のことを全然知りません。僕はこのよくわかんないものをずっと勉強し続けるんだと思います。雰囲気で金融、やるぞ〜

 

ラー油

何にかけてもマジでうまい

 

胡椒

白米にかけても美味い。

 

 

はだしのゲン

はだしのゲンのショッキングな描写は子どもに害を与えるから図書館に置くべきでない、みたいな想像力のカケラも育たず脳みそ漂白剤でツルツルの人らが、案外出兵すると現地民を強姦したりするんだと思います。おどりゃクソ森

 

 

コロナ

ばか、あほ、うんち。銭湯にも漫画喫茶にもパチンコにも行けん。三大ストレス発散方法を全部封じられた。あほ。

 

終わりでーす!

電車で座席譲った後の微妙なアレ

クソお久しぶりです。便器の蓋です。八ヶ月ぐらい空きました、ウケる。

 

電車で座席を譲った経験は、このブログを読まれている高等遊民の方なら腐るほどお持ちであると思います。妊婦にジジババに酔い潰れたオッサンなど、座席を譲られるべき方々は非常に大勢いらっしゃいます。また、人は死んでも座席譲らないマンと出来るだけ座席譲りたいマンに二分されます。僕はその中間者で、今日は偶々譲りたいメンタルでした。

 

いざ座席を譲ろうと思い、相手に「俺は譲るぞ」の意思表示をします。相手はそれを察し柔らかな笑みを浮かべて「ありがとうございます」と告げます。譲り/譲られ完了です。周囲の人も少し笑顔になり、例え最低な街・東大阪市の住民達だとしても久方ぶりの優しさに包まれます。

 

さて、問題はここからです。いざ座席を譲った後、我々はどのように振る舞うべきなのでしょうか?

 

譲られた人の前に立ち尽くしてみてはどうでしょうか?譲られた側は最初は「ああ、この人は私に席を譲って下さった。良い人だ」と思い、まじまじと相手の顔を見つめることでしょう。少し談笑してみても良いでしょう。

でも時間が経っても前の人は微動だにしません。段々鬱陶しく、或いは怖くなってきます。「こいつは席を譲った如きで私に『圧』をかけるのか?何故動かないんだ?よしんば目が合えば私はまた『感謝してます』の顔をしなければいけないんだぞ??」との思いが強まります。譲った側もこうした譲られた側の心情を察すので、同時に曖昧な感情と表情になります。

東大阪はまた元の東大阪に戻り、夜の近鉄奈良線の電車には酒に脳をやられたオッサンの怒号、異常に服が汚いジジィ、肌の荒れた醜女、深夜ドンキたむろヤンキーなどの「底辺臭」か漂います。

 

以上より「その場で立ち尽くす」は悪手と言えます。こうした時生まれるのが「座席を譲った後の謎ムーブ」です。

 

「あたかもその駅で降りる予定だったとばかりに一旦電車から降り、ダッシュで別車両に移動する」「曖昧にうろつき同じ号車の出来るだけ端に移動する」「読む予定の無かった本を取り出し集中している様に見せかける」などがこの「謎ムーブ」に当てはまります。

 

ツイッターでも言ったのですが、私の謎ムーブはこれです。皆さんも様々な謎ムーブをお持ちのことでしょう。

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車内には生後10ヶ月ぐらいの赤ちゃんを抱いた女性が立っていました。そこそこの混み具合で座席は空かず、私も立っていました。幸い赤ちゃんはお利口さんで一切泣かず、スヤスヤと眠っていました。3駅ほど過ぎた頃、私の目の前の席が空きました。何しろ近鉄奈良線です。大阪第二位のスラム街を横に突っ切る電車です。この街の中卒/高卒率だけえらいことになってます。目の前に空席があれば、恵体のオッサンや健脚派手色髪おばさんが我先にと確保しようとします。一刻も早くお母さんを座らせなければ。女性は気付きません。私は前の空席と女性に交互に目配せをし、顎で座席をしゃくりました。女性はまだ気付きません。デカめの咳払いをし、ちょっと振り向いた女性に手で「空いてますよ、どうぞ」のパフォーマンスを行い、座らせ、私は曖昧な顔で車内を5m横断しました。

 

これが本日の私の謎ムーブです。

 

 

結局、どの謎ムーブが正解なんですかね?皆さんはどのように立ち振る舞っていますか?今こそ人類の知恵を結集し「最適謎ムーブ」を編み出しましょう。

 

 

 

ポピュリズムとは何か 後編

次に欧州です。欧州については余りにも事例が多すぎて手元に本が無い今の状況では詳細に書けません。間違ったこと書かない程度に広く浅く書きます。

 

まず欧州という地域の特性から。欧州は当たり前ですが、皆さん大好き民主主義の発祥の地です。フランス革命やら名誉革命やら「お前ら革命どんだけすんだよ」ってぐらい色々ありましたよね。そんな土壌なので所謂リベラルさんが猛烈に幅を利かせてる土地です。過激な思想は好まず、男女平等は言わずもがなとして人類平等を標榜し、間違っても北の独裁国家の様なスタイルにはならない空気感です。民衆も最早遺伝子レベルで民主主義の精神を兼ね備えており、積極的な政治参加やストライキ、デモが活発に行われています。表現の自由にも積極的です。日本のフェミ界隈やらがやたらめったらにフランスさんだいちゅきホールドなのはこういう空気感の国だからです。

 

スイスという国に対してどのようなイメージを持っていますか?アルプスの少女ハイジの舞台で、自然は綺麗で、永世中立国で国連の組織がいっぱい置かれてて平和そうで(実際は傭兵派遣国家として生き長らえて来た国ですが)、如何にも「理想の国」という感じが一般的なイメージです。国民投票制度が猛烈な威力を誇っている国でもあります。まさに「民主主義のお手本」といった感じです。余談ですが日本人のスイス好きは異常なレベルです。百年前ぐらいに社会民主党の創設者・安部磯雄が「スイスまじ良いよ、みんな見習おうぜ」といった内容の講演を既にやってたぐらいです。

 

オランダはどうでしょうか?これは賛否両論ありますが「自由の国」という感じです。風俗は合法、大麻も合法、安楽死も合法。何でもアリのパラダイス国家。非常に楽しそうですね。

 

他にもドイツやフランス、ベルギーなどヨーロッパ諸国に対しての日本人が抱くイメージは良好である事が多く、実際にそれらの国の政治制度は模範とされて「欧州モデル」と呼ばれて広く学ばれました。

しかし、上記の国は全て21世紀以降ポピュリズム政党がウェイウェイしてました。一般に過激派と捉えられるポピュリズム政党。現にドイツではナチス時代への反省から急進的右翼発言の規制をやってたぐらいです。

では何故これら「民主主義のお手本国家」でポピュリズム政党が台頭できたのか?それは彼らの主張が「リベラルに基づいた排外主義」だからです。

 

先のラテンアメリカの事例とは違い、欧州の国は概して裕福であり、勿論一部の超金持ちはいますがそれ以外の大衆も生きるのに困らない生活を送れます。要は「目に見える格差があまり無い」国です。社会保障制度も充実し、最近ではスイスのベーシックインカムが話題になりました。これらの国で先ほどの南米型ポピュリズムは流行りません。「いや俺らそんなに困ってないし……それより私有財産だけはちゃんと守ってや」というのが素直な市民感情です。

 

ではこれらの国に対して主に21世紀以降どのような社会問題が起きているか?それは難民です。中東は相変わらずガッタガタ、特にシリアは超ヤベェ。その結果大量のアラブ系の人々が欧州に流れ着いたのがここら辺の時代です。ドイツでは100万人規模の難民受け入れを発表したりして。しかしこれら難民政策は大きなデメリットを生みました。欧州の「イスラム化」です。失業率は割と高い欧州。そこに大量の移民が流れ込み社会保障制度を圧迫し、道を歩けばそこら辺に謎の宗教的服装の人達がいる。如何に自由闊達リベラル万歳の欧州でも、じわじわと彼らへのヘイトが高まります。

フランスのどこかの出版社がイスラム教を風刺したイラストを発表し、それに対してテロが起きました。表現の自由の侵害だ!とフランス人達はブチギレます。以降も中東系の人々によるテロは相次ぎ、一気に不安定な世の中になります。

 

ここにポピュリズム政党の台頭する土壌が生まれます。曰く彼らの主張は「リベラルを以てリベラルに反する彼らを迫害する」。リベラルを愛するが余り、その価値観を認めないイスラム教徒は迫害してオッケーという考えです。イスラム教では今も男尊女卑の価値観が根強く、欧州のリベラル達はこれに非常な嫌悪感を抱きます。更には現実的な金の問題として彼らへの支援が国の財政を圧迫しています。

 

オランダのピム・フォルタインさんはかなり早期に欧州でポピュリズム運動を起こした人物として知られます。同性愛者である事をカミングアウトしていた彼は男女平等のみならず同性愛も賛成派。他にも安楽死大麻など「自由」に関連することは全て容認姿勢です。本人もやたらオシャレで民衆ウケも良い。まさにカリスマです。彼はそのリベラル気質故に、その価値観とそぐわないイスラム教徒達を「未開の土人」呼ばわりして攻撃します。以降もフォルタインの流れを継いだ人物がオランダで同じような姿勢のポピュリスト政党を率いたりしてます。

 

ドイツではナチス時代への反省から基本的に人類しゅきしゅきモードが主流です。しかし難民百万人受け入れなんぞハナから無理があったのかやがて彼らへの市民感情は悪化の一途を辿ります。そんな時に現れたのが「ドイツのための選択肢」。元々はギリシャ経済危機を契機に「なんで俺らがあんな国の借金を支えなあかんねんこらボケェ」という主張でEU脱退を唱え一定の支持を得た団体です。その政党が難民問題に対しても噛み付き、遂には第一野党になったり難民受け入れ体制を覆したりと大出世します。この時に彼らが唱えた「迫害してもいい理論」も、オランダや他の国と同じような「リベラルに基づいた迫害」です。

 

他にもベルギーやデンマークなど本書で触れられている国についても話すべきですが、余りにも多いので割愛します。要は「民主主義が徹底的に浸透している国でもポピュリズムは発展する余地があるよ」ってことです。有名な言葉で「ポピュリズムはデモクラシーの後を亡霊のようについてくる」的な言葉があります。デモクラシーによって生まれた自由・博愛の精神が、やがて異なる価値観(=リベラルを重視しない人々)への軋轢を生み、やがてはポピュリズム運動に繋がるという皮肉すぎる事実を言い表した言葉です。怖いですね。さよなら

ポピュリズムとは何か

書評というよりメモ書きみたいなものです。これからこういうのをちょくちょくやれたら良いなと思います

 

近年ちょっとしたブームにもなってるポピュリズムEU脱退を巡るイギリスさんのドンチャン騒ぎとか、米国のTwitter大好き大統領とか、或いは日本の大阪の元知事のアイツとか、ポピュリストと呼ばれる人らが最近多いですね〜と。じゃあそもそもポピュリズムって何なの?どんな特性なの?地域毎に時代毎に違いってあるの?どんな短所と長所があるの?そんな事について幅広く書かれています。

構成は そもそもポピュリズムとは何かに始まり、最初のアメリカのポピュリズム政党の事例ラテンアメリカの事例、フランス/ベルギー/デンマーク/オランダ/スイス/ドイツ/イギリスなどヨーロッパ各国のポピュリズム運動の事例、そして近年のツイッターおじさんなどこれからの展望という感じです。全体として具体的な事例が多くて、また各国の政治制度や主な政党の性質なども知れて政治知識が乏しい僕でもスイスイ読めました。

 

ポピュリズムとは要は「市民感情を多大に煽って人気取りをする政治スタイル」と言えます。他にも勿論たくさんの定義がありますが、だいたいどのポピュリズムも根底ではこの感じです。

 

ポピュリズムとは何かに対する定義、というかポピュリズムをどういう側面から捉えるかってのは主に二通り

一つは広く大衆に訴えるようなPR活動を行い「人気取り」の方法に注目した捉え方

そしてもう一つはエリート層や既成政党などへの批判を行うポピュリズム政党の政治運動に注目した捉え方

恐らく前者に関しては非常に分かりやすく、B級メディアやネット記事などで語られるポピュリズムはこれが大半だと思います。時にポピュリスト政党は党の「カリスマ指導者」とセットで捉えられがちです。歯に衣着せぬ物言い、斬新なスタイル、分かりやすく平易な言葉で広く民衆が理解できる物言い、そして時には排外主義的な過激発言で物議を醸すスタイル。だいたいそんなのがカリスマ指導者のイメージではないでしょうか。代表格で言うとオランダのピム・フォルタインやアルゼンチンのペロンですね。

もちろん前者と後者はあくまで「どう捉えるか」の話なので大きな違いはありませんが、後者のスタンスで行くとそれぞれの国や時代について個別具体的に論じなければならないので非常にめんどくさいです。前者は分かりやすいシーンをすっぱ抜いて「ポピュリズムやっべーぞ!」って言っとけばいいですから。ちなみに本書はもちろん後者のスタンスです。

 

さて、それではまずラテンアメリカについて。ラテンアメリカポピュリズムは「左派ポピュリズム」に分類されます。南米諸国では農業が国のメイン産業です。その為に国民の大半は貧しく、しかもその貧しい中でも地主と小作農/零細農家という対立構造が生まれています。更には欧州からの元移民である白人知識階級が国内のホワイトカラー職を総ナメします。その結果まぁ分かりやすいぐらいに後進国特有のはっきりとした社会的格差が生まれます。

 

それではこういったモデルの国で起こるポピュリズムはどういう性質か?物凄く分かりやすいです。要するに「所得格差無くせよバーカ」って感じです。ラテンアメリカの既成政党、つまりポピュリズム政権が台頭するまでに権力を持っていた政党の土台は何かと言うと、分かりやすい既得権益というマネーの力です。ホワイトカラーブルジョワジーやら地主やらと密接に繋がり、当然政策の方向性は社会の上位1%未満の彼らの為に仕向けられたものです。

 

ポピュリズム政党が如何にして成り上がるか。大抵の場合は彼らは「目に見える敵」を用意します。「目に見える敵」は様々で、まずは既成政党(橋本知事が「どの政党もうんち!」みたいなこと言ってたように)、その次に欧州の例で言うとイスラム教徒、日本の事例で言うと生活保護者や社会保障制度を使う在日外国人などです。そうした「目に見える敵」を想定し、民衆に対して「あいつらウザいよね?あいつらと俺らが違うの分かるよね?俺ら応援してよ」と問いかけます。これの何がエグいって、既成政党が腐ってれば腐ってるほど「あいつらとは違う俺ら」を演出できるので、ポピュリズム政党のブーストが容易になります。

 

ポピュリズム政権というものは大抵の場合ポッと出のペーペーの、マネーの力をほぼ持たない集団です。そういった集団はこうした既得権益と結び付けていないので、「貧しい奴らに金渡せやゴラァ!」と言うことが非常に容易になります。アルゼンチンで起こったポピュリズム運動もこの例に漏れず、カリスマのルペンさんもこの方針で成り上がります。大衆は大衆で「金くれやオラァン?」という考えなので、ポピュリズム政党はこうした市民感情を多大に利用して自身の政党のブーストが出来やすいです。ラテンアメリカ諸国は先述した社会情勢によりポピュリズムが発展しやすい土壌を多大に兼ね備えた地域と言うことができ、現在でも「ポピュリズム発祥の地」と言われたりしています。

こうした国のポピュリズムの特性をもう一度まとめると「所得の再分配」「特権階級/エリート批判」が主です。国民の大半を占める農業従事者は、要は自分達の土地があって日々それなりに生きていけたら良いわけで、あまり小難しい事は求めません。それよりかは「目に見える分かりやすい敵=エリート階級」に対して「あいつ死なねぇかな」とシンプルな感情を持っていて、ポピュリズム政党は当然これに対してアプローチ(人気取り)します。

 

ラテンアメリカの左派ポピュリズムについてはこの辺で。欧州についてはまた今度書きます(ほんまか?)

スノボ

こんばんは。スノボ行って来ました。今は帰りの夜行バスに乗りながらこれを書いてます。腰と背中とその他全身が痛い。

かれこれスノボも三年目になりました。一年目は気管支炎の状態で行って、バスの中では咳で眠れず、18:30に寝て夜中に何度も咳で目覚め、熱はずっと38度超え、帰りのバスが寒すぎて死を覚悟したりしました。今年は一番体調が良かったし、去年無理だったS字ターンもある程度できるようになりました。

一年目の時から同じ4人で、従兄弟と小中の友達2人と僕でスノボに来てます。自分で言うのもアレだけどかなり仲がいいと思う。本当にしょーもないボケばっかり連発してそのボケに更におもんない被せボケをして、そんな感じのクソみたいなやり取りをずっと続けるのが基本です。

僕は仲良い事の定義を「無言の状態で気まずくない関係」だと思ってるんですが、これが物凄く当てはまる人たちです。こう見えて割と人間関係では気を遣うタチなので、空気を読めない奴は嫌いだし会話に入れてない人を見ると胃の辺りが不安になります。そういう立ち振る舞いを一切やらなくていい関係ってのも結構良いですね

特に書きたい事も無かったので終わります。おわり!